夫婦別姓

 

私は自分の名前を絶対に変えたくないと言うレベルで気に入っているわけでもなく、苗字は正直なんでもいい。それでも、結婚後の性を同姓別姓選べるようになったとしたら、私は夫婦別姓を選ぶだろう。

理由は、どう考えても非効率的で合理性がないからだ。たかだか書類手続きや業績の名前の証明で時間がかかるのはいやだ。それだけといえばそれだけだが、小さなことでもこの先50年ほど続くとなると面倒くさい。

特に働く女性が別の性にするとなると、面倒なことが増えてしまう。いちいち自身の業績の説明の際に旧姓を証明するための書類を取り寄せたり添付したり、社内で旧姓を使っていても公的手続きでは結婚後の性を使うことになって事務担当者が混乱したり、どう考えても結婚後に姓を変えたほうに不利な状況となっている。

逆に言うと、そういう不便なところが改正されれば、私は自分の姓がどうなろうがどっちでもいい。別姓でなくてもミドルネームのような形でも良いし、新しい姓を使うでもなんでもいい。

ただ、伊達まき、大場加奈子、大場鹿の子などの面白名前になるのはいやなので、制度としては夫婦別姓も選択できるようになってほしい。

 

ところで、夫婦同姓しか認めない人々の問題は、「夫婦のどちらか片方に対して決して小さくない労力を強いる一方で、その不便を解決する方法をほとんど提示していない」点にあると思っている。

これまで、旧姓を通名として用いればいいと言う"妥協"は行われてきているけれど、根本的な解決になってはいない。

東京新聞のアンケートによれば、夫婦同姓しか認めない人々が夫婦同姓のメリットとしてあげている項目は、伝統、結婚の意識、お墓である。

www.tokyo-np.co.jp

 

 一方、別姓の導入に反対する人たちからは、「日本の伝統が崩れる」=愛知県、男性(73)、「名前を変えることで結婚の意識が高まる」=滋賀県、男性(56)、「それなりの覚悟で他人から夫婦になるのだから、結婚したら同じ姓になりたい」=三重県、女性(24)=との意見が相次いだ。

 別姓にした場合に、子どもの姓やお墓はどうなるのか心配する声がある。三重県の女性(67)は「きょうだいの姓が異なる可能性があり、混乱する」と懸念。静岡県の事実婚の女性(44)は「私が入る予定の墓には、祖先から私まで四つの名字が並ぶことになるが、お寺からは何の問題もないと言われている」と書いた。

伝統でいえば夫婦別姓のほうが伝統的ではないかという指摘は置いておいて、結婚の意識、お墓のどれも、人によっては夫婦同姓のメリットには映らない。

結婚の対する意識も変わりつつあり、お墓に関しては姓と無関係に話し合うこともできる。どうも、姓に対する深い思いいれがあるようだ。

 

とりあえずいえることは、姓の変更に関するメリットデメリットは人によって違っていること、特に夫婦別姓をまったく認めない人(あかの他人が夫婦別姓を選ぶことを否定する人)は、姓に対する思い込みのようなものがあると言うことだ。この思い込みは必ずしもすべての人に共有されているわけではないので、夫婦同姓を強制使用とすると反発が生まれるが、思い込んでいる人々の中にははその思い込みが当たり前のものと考えていることがあり、そこで摩擦が生まれる。

 

なんにせよ、片方だけに負担を強いる制度が良いとは思えない。できるだけ早い解決を望んでいる