勧善懲悪の話は読み物としては面白いけど、現実をよくするわけではない
togetterで「妻が夫のコレクションを捨ててひどいことになった話」が話題を集めていた。これを読んだときにとてももやもやしたので、なぜもやもやしたか考えていた。
もやもややその解釈は以下の記事でも語られている
どちらもコミュニケーション問題の可能性を指摘している。
私がこれから書くことも、大体同じようなことを書くことになる。実際はコミュニケーション問題が合ったのにそれを無視していたのではないか、そしてネットの話を見て妻だけが悪いと頭から考えると、本当の問題が見えなくなるのではないか、ということだ。
妻が夫のコレクションを捨てる話は、まとめサイトでもよく扱われていて、そちらは目にしても、あーあ、と思う程度でもやもやしたことはなかった。
誰かが他人の持ち物を捨てる話は、妻が夫のものを捨てるだけではなく、たとえば義理の実家の人間(義母、義妹)などが妻のものを捨てるなども見られるので、誰かが誰かの持ち物を壊したり捨てたりしてしまうことそのものは、実のところそこそこあるのかもしれない。
結論を言うと、私はにちゃんねるのまとめとtogetterを無意識のうちに明確に区別していた。にちゃんねるまとめサイトを見るとき、私は勧善懲悪ものを見てすっきりしたり他人のうっかり話や天然話を見てなごんだりすることを目的としているので、多少書き込まれたはなしが不自然でもあまり違和感を感じないのだ。
一方でtogetterは、貧困やジェンダーなど社会問題を読むことが多いので、語られる内容が一方的であったり、かけている部分や矛盾があったりするととても気になる。
そのため、件のtogetterを読んで、
- 仕事のための道具をその辺に放置するだろうか?
- 報道されてもおかしくないと思うが、そんなニュースあっただろうか?
- 奥さんと以前にコレクションのことでけんかしなかったのだろうか?
- けんかしていたとしたら、歩みあいや譲歩はなかったんだろうか?
- それまで人のものを捨てたりしなかったような奥さんが急にそういうことをしたのであれば、何かその原因があるのではないだろうか?
という疑問が解消されなかったのがもやもやの原因だった。
要するに、普通は、まずコレクションに関して何らかの衝突が起こってしまったが、その問題が解決されず少量が捨てられるという小さな問題が起こり、その後大きなものが捨てられる事件になりそうだが、どうして急に多くのものを捨てる暴挙に妻はいたったのか、と言う疑問が生まれたのである。普通はいきなり大量に捨てると言うステップを踏まないだろう。
もちろん妻との衝突を夫がまったく重要視していなかったパターンや*1、妻が何も言わずに不満を溜め込み急に爆発して発作的に捨てるパターンもありえるし、妻が急におかしくなったパターンも考えられるだろう。
少なくとも、以前の家庭内が良好(だと夫が思っていて)で急に捨てられたのであれば、どちらかが我慢していたりコミュニケーション不全だったりどこかにいびつな部分があって夫が気がついていなかったか、夫の行動とは無関係に妻に問題が浮上してきた、と言うことになる*2。
もちろん、人の持ち物を捨てるのはしてはいけないことだが、その許されないことがおこったのは一体なぜか、一度は考えなければならないだろう。もちろん捨てた人の性格が異常に悪いと言う可能性や夫にまったく非がない可能性もある。だが、それまで相手がまともな人だったのであれば、何かボタンの掛け違いについて考えるべきなのだろう。
そのような問題がまだ起こっていなかったとしても、パートナーの不安や不満について思いをめぐらすことはお互いに悪いことではないだろう。