モテテクを使われた話

この記事を見て、なるほどねと思ったと同時に、そういえば恋愛工学っぽいことがあったと思い出した。

 

ninicosachico.hatenablog.com

 

 

その男性は私より1歳年上で、わりともてていそうな人だった。ただ、最初に私が友人に持って行ったお土産を偶然その場にいたその人にあげたら駄目だしされたので、人が善意で渡したものに文句言う人なんてろくな人じゃないと思って個人的に仲良くすることはあるまいと思った。

 

その後その人はすれ違ったり二人っきりになると話しかけてきて、いつも最初に否定的な一言を言ってきた。ちょっと○○が下手だよねとか、なんであんなことしたのとか、あれなにとか、ほんの小さなことだったものの毎回だったので面倒くさい人だなあと思った。

その一方で、その小さな否定をその人が本気で言っているわけではないということも気がついていた。否定をする割に怒りも嫌悪も何も感じられず、たぶんこれはほかの人と話す口実だろうと思っていた。

 

だから、ずっと私はその人に対し距離を置いた気持ちで接していた。

否定的なことを言われても、○○さんはひどいなあ、とにこにこしながら対応した。私もその人とは上っ面で接していた。他人と話すために否定的な言葉や悲観的なことを言う人と、まじめに話す気なんてさらさらなかった。

時々楽しく話すこともあったけど私にとってはただの人付き合いで、外で会うことはなかった。

 

1年ほどたった頃だろうか、飲み会が企画されて、その人は私のことを「こんな妹がほしい」と何度も言い、珍しくほめてきたのでなにこれと思いまったくうれしくなかったものの、そのたびに「ありがとうございます」と返した。

帰り道が同じだったので途中まで一緒に歩いていたら、帰り道の分かれ道でその人は「送っていこうか」と言った。その人は徒歩で私は自転車だった。そこからは反対方向だったのと自転車で帰ったほうが早いし安全だと思ったので、お断りした。なにより、私の家からその人の家までは、歩くとおそらく1時間はかかっただろう。

 

次の日から、その人はぷっつりと来なくなった。理由は聞かなかったが、ほとんど毎日来ていた人が急に来なくなったので、たぶん飲み会の日が原因だろうと思った。

思ったこと

冒頭の『恋愛工学では「自分が主人公」』というところに戻るが、自分が主人公で他人は人ではない/モブキャラ、という意識でいると、相手が実際にしている反応と内心どう思っているかの乖離に気がつかないんじゃないかなあと思う。
 
この例が適切かはわからないけど、亀とウサギの競争で亀はのろまだからと途中で休むウサギとか、ドラマにもなった漫画のクロサギのように詐欺師が詐欺師にだまされるとか、自分が"上"にいると思っていると、"下"の人が何してるんだかあまり良く見てないんじゃないかと思う。詐欺師の場合、詐欺に重要なポイントは見てるけど、それ以外は見てない。
 
私の体験した人も、私のことはまったく見えてなかったのではないだろうか。たぶん、私から彼に話しかけたことがないのも気がついてないと思う。
 
私に関して言えば、 私自身も相手を適当にしか見ていなかったため、あとから思うといろいろと見落としていた。

たとえば、顔を合わせるたびに言われた否定はいわゆるディスりだったのだと思う。

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これの3番目がディスりです。一回だと特にどうとも思わないけど、何回もやられるといくら受け流しててもいやになるし、相手するのがめんどうくさくなります。

ほかにも、いろいろ言ってたけどあれは実は自慢で人の気を引きたかったのかなあとか、将来計画とか語ってたなあとか、いろいろ言っても私が怒らないからこれはいけるとおもったのかなとか、いろいろと振り返ると思いあたることがあった。