モテテクをつかいたいですか?

id:kutabirehateko (はてこさん)に、コミュニケーション指南とモテ指南について書いたエントリーに言及していたいたので、この二つの指南についてもう少し書いてみようと思った。
 
モテ指南の悪いところに関しては、すでに過去記事で述べたとおりだが、このモテテクを不特定多数に行うと私はとても疲れた。「ストレスで死ぬ」とまで書いた。
なぜかといえば、モテテクを使うときの"コスト"と、"ベネフィット"が見合わないからだ。
 
そもそも人間関係から得られるものは何か?
人が人にアプローチするとき、そこには何か理由がある。
毎日顔を合わせる職場の人間関係は円滑なほうがいいから仲良くしておこう。あの先輩は気前よくご飯をおごってくれるからお誘いにのろう。あの上司の話はためになるから飲み会で隣に座りに行こう。わが子はかわいいから人がいっぱいで大変だけど遊園地に行こう。あの人と話すと楽しいからご飯に誘おう。もらったチケット、あの人が興味を持っているものだから誘おう、などなど
 
コミュニケーションをすると何かが起こる。それはいいことと悪いことの両方があり、悪いことにはたとえば、相手に嫌われて嫌がらせされたり、ストーカーされたり、何かを騙し取られたりと、いろいろなものがある。金銭的なものもあれば、精神的に嫌なこともある。いい事のほうを私は"ベネフィット"と呼んでいる。このベネフィットというものにも金銭的なものと精神的なものがある。話していて楽しいとか、新しい意見をくれるとか、元気や勇気をくれるといったものが精神的なものだ。
 
モテテクのベネフィットとは何か?
モテテクではみんなにいい顔をする。相手のことが嫌いでもそうでなくても、相手を気持ちよくさせることが狙いだ。モテテクの場合、得られるのは主に金銭的なベネフィットだと思う。
職場のようなところや親戚づきあいのようなところであれば、毎日あるいは定期的に顔を合わせるのでほかの人が親切にしてくれるととても助かる。ただ、これはコミュニケーション指南のほうでも十分な効果が得られると思う。
個人的な付き合いであれば、相手を選べばご飯をご馳走になったり高価なプレゼントをもらったりすることができる。高価なプレゼントや過剰な手助けは、コミュニケーション指南では得られないものだ。
 
モテテクのコストとは何か?
モテテクを使うとき、相手の気分をよくするためにおおげさに言ったり、おべっかを使ったりすることになる。こういったうそをつくのは、あまり楽しいことではない。
これは私にとって大きなコストだった。特にしょうもない差別の話や愚痴の話や自慢は聞いていていらいらさせられることがおおい。さらに、そういう話に耳を傾けていると、どんどんそういう話が増えていく。普通はそういう話をいい顔して聞かないので、そういう話が好きな人は嫌われるのだが、こちらになついてくる。これがセクハラ話や無意識の女性蔑視などだともう最悪である。
 
なぜモテテクが使われるのか。誰が使うのか
人と仲良くしようと思ったら、本当はコミュニケーション指南でも十分なのだ。
じゃあ何でモテテクなのか?
モテテクは主に金銭的なベネフィット、コミュニケーション指南では主に精神的なベネフィットが得られると思う。
 
私の場合は人付き合いに金銭的なベネフィットを求めていないので、モテテクは向かない。誰かが何かものをくれるという理由で、私は他人に会うことはない。もらったらうれしいけど、くれなくてもいい。別にあなたが私にご馳走やプレゼントをしてくれなくても、一緒にいて話をしているだけで楽しい人はいる。
私が誰かと会うとき、それは私がその人から精神的なエネルギーをもらえるときか、職場や親戚付き合いで必要なときだけだ。だからコミュニケーション指南で十分だ。
 
でもそうではない人もいる。
モテテクによるベネフィットがとんでもなく大きい人かコストが小さい人たちだ。
たとえば、告白から承認欲求を満たすなどまったく別の精神的なベネフィットを得ている人、金銭的なベネフィットを得られる人、本当は心の中で思っていないことを言ったりすることが苦でない人たちだ。
こういう人たちは、上記のようなモテテクをどんどん使っても疲れない。
 
ただ、数ヶ月で目標が定まっているのなら、普通の人でもやってやれないことはないのかもしれない。
もしあなたの目的がデート商法でモノをかわせることだったら数ヶ月、キャバクラでお金を落としてもらうことだったら就業期間、恋人として貢いでもらうんだったら数ヶ月から数年、結婚するなら10数年ほど。
 
もしあなたがモテテクをしようと思っているのであれば、自分がそういう人間関係で何を得たいのか、モテテクのストレスに耐えられるのか考えないといけないのだろうとおもう。正直、普通の人にはあまり勧めない。