最近どうでも良くなったせりふ「結婚すればいいじゃない」

昔は、「女なんだから、うまくいかなかったら結婚すればいい」と男女どちらからもいわれるたびに、鬱陶しいと思っていたが、今はなんとも思わなくなった。

 

鬱陶しいと思っていた理由はたぶん、自分がどんなにがんばっても、そういうことを言われるとそれを否定された気持ちになるから、というのが大きかったと思う。お前はいつでも逃げ出せるところにいるから、いつか逃げ出す、その程度の気落ちで働いているのだろう、と。

また、おんなのこなんだからそんなことしなくていい、という押し付けが鬱陶しかったのだろう。

 

 なんとも思わなくなった理由は、結婚しても、問題を解決したり楽になったりすることにはつながらないことがわかったからとか、理由はいくつかあるのだろう。

何より、外野の無責任な一言だからというのは大きいのだと思う。それを言う人は特に深く考えていないし、こっちも深く考える必要なんてないのだ。

 

あるいは、あなたにはそれがあるから大丈夫/どうにでもできる」といわれても、自分が望んでいるわけでもない結婚という選択肢なんか関係ないとはっきりと思えるようになったからかもしれない。

 

あるいは、その言葉の裏に、「お前はいいよな、そういう逃げ道があるんだから」という、女性の結婚に対する楽観的な見方や、そういう一言でしか私を含めて"何か"に対する不満を吐き出せない心のうちが見えるようになったからかもしれない。

 

または、結婚して家庭に入って専業主婦になることは、実は意外と大変だとわかったからかもしれない。

 

あるいはただ、あんまりにいわれるから、その言葉に対して感度を下げただけ何かもしれない。

 

気にならなくなったのはいいのだけれど、ただ不快なことに対する感度を下げているだけなのだとしたら、それはただの抑圧に過ぎず、いつか不満が噴出す気がしてならない。