痴漢の話のその後(痴漢ではないものの話)

今は、痴漢よりも、思い込みの激しい人のほうが怖い。

 

小学生時代の痴漢の話を書いたらアクセスがたくさんあったので、その後のことを書くことにしました。

 

stylo.hatenablog.com

 

小中学生のころの被害は、「知らないおっさん」ばっかりだった。幸運なことに、身の回りの男性、たとえば親、親戚、教師、知り合いや友達から、嫌な目に合わされることはほとんどなかった。

大人になって、「知らない人」による被害は激減し*1、かわりに"知り合い"や"職場の人"が、警戒しなければならない人たちになった。

 

以前のエントリでも大学の頃にあったことを少し書いたが、

たとえば、授業後にはなしをしていたときに、「下宿は大学の近くですよ」、といっただけで、私の家で夕食をご馳走になれる、と思い込んでいた人や、
飲み会の後で、帰り道でたまたま二人きりになったときに、ほかの店に行こうとした人とか。私はお酒に強くないので帰るといっても、何度も誘ってきた。
「みんなで打ち上げ」といわれていったら、二人きりで食事だったりとか。 この人はうそをついたことすら覚えてなかった。

仕事をはじめてからも"少し怖いこと"は続いた。

お誘いを10回以上断っても誘ってうる人や、仕事で一度二人で会って食事しただけで、私がその人に気があると思ってきた人もいた。胸やお尻ではなく腕や肩をするっと触ってきたり、お酒の席でひざに頭を乗せてきた人もいた。

 

こういう人たちの何が怖いかというと、私の意志は無視され、無視していることすら気がついていないことだ。あるいは、私を同じ人間だと思っていないのかもしれない。

 

特に以前の記事の一人目(私の家で夕食をご馳走になれると思った人)に関しては、最悪の場合部屋まで押しかけてきて強姦されるのではないかという恐怖があった。怖かったけれど、刺激したくなかったので何事もなかったかのように近くの店で食事をし、さようならといって別れた。

その人と別れた後で、家につくまで何度も振り返ったことを今でも覚えている。

これがたぶん、顔見知りにひどいことをされるんじゃないか、と思った一番最初の相手だと思う。

 

それからしばらくは、自分の周りの男性が危ない人なんじゃないか、と思わずに入られなかった。今はもうそんな風には思わないけれど、それでも、気をつけなければいけない相手が一定数存在することは理解していた。

 

上記のような、警戒しなければいけない人たちには、いまだに出会う。

もちろん、皆が皆性犯罪予備軍なんかじゃないことは良くわかっている。単に女性になれていないだけの人や、ただ身勝手なだけの人もいる。

でも私には相手の本音はわからないので、少しでもおかしなところがあれば避けるしかない。

 

痴漢など性犯罪から遠くなってきて思うことは、私が小学生だった頃の被害は悲惨なものだけども、今も別の意味で不幸だということだ。

自分の身の回りの人間を「危ない人かもしれない」と心の隅で思い続けることは、疲れる。周りの人を常に疑い続けるということだからだ。そしてなにより、相手がまともな人だったとき、相手に失礼なことをしている、と思う。

*1:おそらくファッションが変わったことなどが原因