クローゼットに20着

「フランス人は服を10着しか持たない」という本がある。日本でもベストセラーになりTEDにも出ている。

この本の感想記事や洋服の数を減らしたブログ記事を見るたびに、むかしフィリピン留学したときのことを思い出す。

 

大学生の長期休暇を使ってフィリピンの語学学校に2ヶ月滞在したことがある。

大きなスーツケースひとつに辞書や参考書から日用品までをいろいろなものをつめ、かさばる洋服は最小限にした。

その結果、洋服は10着になった。現地で買い足したものはほとんどなく、冷房対策の黒い長袖カーディガンだけだった。

 

当時の服を見返すと、Tシャツ、半そでのシャツ、ごく普通のカットソー、キャミソール、半ズボン、長ズボンだった(Tシャツとズボンだけ複数)

Tシャツ以外は無地で白黒紺グレーと水色、紫だったので、どれとどれを組み合わせてもほぼ問題がなかった。

やめとこうと思った組み合わせは黒のカットソーと黒のズボンぐらいだ。

 

こうなると服を決めるのが簡単だった。

10着しかないと、たんすを開けると服が全部見える。

そもそも組み合わせが重要ではなかったので、つかんだものをきればよい。

前日に来たものさえ着なければいいので楽だった。

 

ただし洗濯は週に2回になった。ちょっとさぼるときるものがなくなるんである。

 

横着ものの私にはとても良かった。

その後日本に帰ってきて、服をどんどん捨てた。

それまではカジュアルもコンサバも着ていたが、使い分けが面倒くさくなったのでカジュアルなものは人にあげたり売ったり掃除の雑巾にしたりした。

 

いまもだいたいクローゼットには20着ぐらいだ。

場所はとらないし、選ぶのが楽だし、いいこと尽くめだ・・・というより、私はこれを超えると管理できなくなる。